TAjiKA

四代目の日々を綴る日記です。

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”TAjiKA”は、ハンドメイドならではといえる独特の風合いと、アン ティーク鋏のような優美なデザイン、そして申し分のない気持ち良い切れ味をあわせ持った、こだわりの一品に仕上がっています。

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D&Department Osaka Exhibition report 2
2016年05月27日

こんばんは。
遅くなりましたが、展示のまとめです。


前回はD&Dで初めての展示ということもあり
とにかく、知ってもらう・触れてもらうための
展示構成にしました。
今年はそれを踏まえ、前回来れなかった方にも
興味を持って頂けそうな導入編のものに加え
少しステップアップした、技術を見て頂ける
道具を作り、展示しました。

d_d_tool.jpg

これは、「ひずみ」という鋏にとって最も重要
と言っても過言ではない研ぎの技術を見られるように
作った道具です。(展示の時の写真は見えにくいので、準備時の写真です)


2回目なのでステップアップということもありますが
これまで、鋏への入り口を広げることを中心に活動してきて
そろそろ次の段階に進む時期がきたのかなと感じています。
この道具はきちんと説明しないと分かりにくい物ですし
聞いたとしても、一度では理解が難しいと思います。
現段階では、鋏に興味のある方か職人や専門職の方が
興味を持ってくれるかな?という予想です。
実際、自分が声をかけなくてもじっと見ていたのは
知り合いの建築関係の方でした。

まだ始めたばかりで興味を持って頂けない現状は
TAjiKAの鋏を作り始めて3年ほど我慢の時期があり
ようやく認知度が上がってきたことと重なります。
父と何度ケンカしたことか(苦笑)
今回の道具もそれくらい時間をかけて
じっくり伝えていく覚悟です。


鋏は見た目は同じようなものでも
触ったり、使ってみると全く違います。
何が良くて、何が違うのか?
ただ切れれば良いなら、大量生産の鋏でも良いですが
職人が作る鋏を選ぶ時に、何を基準にして選んだら良いのか?
それを知って、選んでもらえるようにしないと
いつまでたっても、値段や名前、メディアなど
実際の物の価値とは少し離れたもので判断されてしまいます。

今、私達が考える良い鋏の条件をきちんと理解して頂き
作った物を選んで頂けるように。
さらにその期待を超えられる鋏を作ろうと思います。


今回、とても印象的だったのが
若い夫婦が私の在店した日に2回来てくれ
何度も触りながら、じっくりと悩んでいた光景。

年齢は関係ないかもしれませんが、20代であれば
他にもっと買いたい物もあると思いますが
それを鋏に使うって、言葉が悪いですがちょっと変わってると思います。
でも、物も情報も溢れ、選べない人が多くなっている昨今
ああいう風に選んでいる姿をみると
自分の生活に何が必要で、どんな場面で鋏を使うのか
きちんと想像しているのがよく分かります。
そうして購入した物はきっと大事にするし
他の物を選ぶ時でも同じだと思います。

そういう光景を見られたことがとても嬉しかったですし
その選択が満足いくものになるため
より良い物を作らないと。と身が引き締まりました。


毎年、展示の機会を下さるD&Dの皆様
お越し下さったお客様、ありがとうございました!
また来年も開催できるよう、頑張ります。
これからの活動にもご期待下さい。